ご挨拶
第4回国際中枢神経胚細胞腫シンポジウム
会長 西川 亮
埼玉医科大学国際医療センター脳脊髄腫瘍科教授
謹啓 時下、益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
この度第4回国際中枢神経(CNS)胚細胞腫シンポジウムを開催させて頂くこととなりました。 このシンポジウムは、2003年9月に京都で松谷雅生先生を会長に第1回が開催されました。第2回は2005年にJonathan Finlay先生を会長にLos Angelesで、第3回は少し間が空きましたが、2013年にCambridgeでJames Nicolson先生を会長に開催されました。日・米・欧が11年かかって一回りし、この度の第4回で第2ラウンドに入るということでございます。 開催間隔が不規則であることからも分かるのでありますが、中枢神経胚細胞腫は、いわば特殊な腫瘍で、携わっている医師や研究者も限られておりますし、学問的な進歩もコンスタントにあるというわけではございません。患者数が限られている稀少疾患ですので、臨床的な仮説を探索・検証する臨牀試験にも時間がかかります。 しかし、CNS胚細胞腫に関しては、特に我が国が研究をリードして行くことが必要です。我が国の貢献は世界的にも認知されています。そして今回再び2年間隔で会が我が国に戻って開催されることの意義は以下の通りです。
- この腫瘍は東アジア、特に日本の男児に多いと言われている腫瘍です。我が国において厚生労働科学研究費松谷班の研究によって治療体系の整理と治療成績の著しい向上が認められています。今回はその長期追跡を含めた集大成が発表される予定です。
- 今回は本疾患のコンセンサスステートメントが発表される予定です。第3回シンポジウム以降準備を重ねてきました。
- 本腫瘍のゲノム解析について日米の研究が完成し発表される予定です。
これらは今回のシンポジウムの大きな目玉であり、さらに次のステップへ向けての飛躍に繋がるものと期待されています。
多くの皆様の積極的なご参加を期待致します。
謹白
2014年(平成26年)4月吉日